特典映像はアメリカ版とは別の、ビートルズ・クラブ監修と思われるくだらない物が多く、見る価値はほとんどありません。
一つ前の再発版の特典映像の方が重要な意味があると思います。
これによって前の版も捨てられないのが困るところです。

「ジョンの皮肉屋の面が既に発揮されている」
おすすめ度　★★★★★

この頃のビートルズは、アイドルグループの頂点にいたはずなのですが、そういった描き方でないのがとても面白い。特に、ジョンが、この時期から皮肉屋であり、イタズラ好き。とてもアイドルのように見えません。「ビートルズ」という存在をあらゆるメディアがどう扱ってよいのかまだ模索していたのではないかと思います。映画というジャンルは、そういう意味ではとても、本質が描かれやすく、ビートルズの個性を最初に映し出すことに成功したのではないかと思います。アドリブと演出をうまく組み合わせて面白い作品を創り上げたものだと思います。ビートルズの演奏シーンはもちろん魅力的ですが、映画としての面白さもふんだんにあります。愛すべき作品です。

概要
   大人気のビートルズは、今日もファンに追いかけられていた。そんな忙しい彼らを尻目に、同行するポールのおじいさんはやりたい放題。ついでにジョンやリンゴたちも、ちょっぴりハメを外したりするのだった…。

   ビートルズの楽屋姿を、ドキュメンタリー・タッチで描いたコメディー。リチャード・レスターの名を一躍有名にした秀作である。メンバー4人の自然な演技に、ベテラン俳優たちのコミカルな演技が、絶妙な取りあわせだ。もちろんビートルズ・ナンバーもたっぷり楽しめる。とりわけ「キャント・バイ・ミー・ラブ」の解放感は最高。単なるアイドル映画とは違い、圧倒的なおもしろさに満ちている。なお最近再公開されたバージョンでは音楽がステレオになり、ナンバーも「ユー・キャン・ドゥ・ザット」が1曲追加されていた。（アルジオン北村）