1970年発表。レッド・ツェッペリン3枚目のアルバム。1969年2月にデビュー・アルバムを発表して以来ほぼ1年1作の割合でレッド・ツェッペリンはアルバムを発表していく。 ジミー・ペイジは多種多様な可能性をこの不世出のロック・ユニットであるレッド・ツェッペリンに感じていて、試してみたくてたまらない音楽がたくさんあったのだろう。このIIIは、端々にジミー・ペイジのその思いが感じられる。試してみたくてたまらない音楽がたくさんあるのだが、I・IIの路線があまりにファンの気持ちとレッド・ツェッペリンに対するイメージを確立してしまっため、ある種のジレンマにおちいっていたと思われる。それが押さえ切れず、出来上がったのが本作IIIだと思う。 ターザンの掛け声のように始まる1からスタートし、この不世出のロック・ユニットの底力をまざまざと感じさせてくれる。III・Vそして『In Through The・・・・』で試したかった音楽は80年代・90年代では多くのミュージシャンが理解して、そのDNAは今や現ミュージック・シーンの中核にあると思える。不世出のロック・ユニット、レッド・ツェッペリンの全てを引き出したかったジミー・ペイジの意図は30年後の今でやっと理解できるものだったのだ。 ひとつだけ残念なのは、LPジャケットだから出来たであろう、ジャケットを回転させたり、スライドさせたりして色々な顔を見せてくれるジャケットの試みがCDではフィックスして動かなくなってしまったことだ。今聴く人はCDでこんなもんだと思ってジャケットを見るかと思うと悔しくて仕方がない。荒木飛呂彦氏の作品集『JOJO A GO!GO!』ではIII風の試みをやってくれているが、きっと同じことを思ってのことだろう。紙ジャケット全盛になりつつある今だが、このジャケットを復活させて現代のリスナーに見せてやりたいなぁ、と思うのは僕だけではあるまい。発売元ガンバレである。
1.Immigrant song
2.Friends
3.Celebration day
4.Since I've been loving you
5.Out on the tiles
6.Gallows pole
7.Tangerine
8.That's the way
9.Bron Y Aur stomp
10.Hats off to (Roy) Harper