「言葉にならない夢のアルバム。」おすすめ度
★★★★★ロックの歴史の中で最高の一枚と言っても過言ではないアルバムです。ロックの範疇を取り払っても最高の名盤です。ジャンルを何に求めるかは聴く人により変わりますが、その時代のロックが何を求めていたかは、まさにこのアルバムと言えるでしょう。
アルバム発表直前に発売された大ヒットシングル、ジャンピング・ジャック・フラッシュが入らなかった事によりアルバム全体が、よりブルージーにまとまり、スリルと気だるさと美しさで溢れています。内容も全曲素晴らしく、ジャケット(当初は発禁で別でしたが)、楽器の使いドコロ、歌詞、曲順(レコードなら特に)等、全て抜群のセンスでアルバム全てを含み計算しつくされており、非の打ち所が無い40分間です。
今回のSACD化でスネア、バスドラの響きやアコースティック・ギターの広がりが非常に心地好く、ビックリする程良い音に仕上がってます。
「ロバート・ジョンソンの霊魂が・・・」
おすすめ度 ★★★★★
「俺を駅へ連れて行ってくれ そして汽車に乗せてくれ 俺はかつては億万長者だった 今じゃ一文無し 俺を駅へ連れて行ってくれ 二度と戻る事はない」と歌われるANo Expectation。ブライアン・ジョーンズのスライドギターが美しいこの曲に漂う死の色。まるで何かに幻惑されるようにフラフラと死神の呼ぶほうへ歩いていったブライアンの姿が見えるような気がする。
呪術的なパーカッションや大胆なカッティングのギターが強烈な@や、その名の通りのファイティング・ソングであるDもあるが、それも含めて、聖書的=悪魔的な世界観と、土の匂いのするダウンホームな音づくり。ストーンズがロバート・ジョンソン直系のブルースを極めたアルバムだと思う。ハイウェイからグレイハウンドに乗ったロバート・ジョンソンの霊魂が、ブライアンに乗り移ったのかも知れない・・・。
「悪魔を憐れむ歌」
おすすめ度 ★★★★★
ストーンズの作品でこの時代の物はどれも好きなのですが、「悪魔を憐れむ歌」がはいっていいることでこのアルバムは特別です。“Sympathy for the Dvil = 悪魔を憐れむ歌”邦題をつけた人は天才です、発表されてからゆうに30年以上たっているのにまったく色褪せないストーンズの名曲中の名曲です!
「当時中学生の私が手に入れた、初めてのLPレコード」
おすすめ度 ★★★★★
〜〜60年代末、中学生の私が初めて買ったロックのレコードは"ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のなぜか(Single盤売り切れだったんで)EP盤、そして初めてのLPのお買い物がこのアルバムでした。
・・・と言っても他のレビューに解説されている様にジャケットが発禁となり、オフホワイトにカリグラフィー文字でThe Rolling〜〜 Stonesと描かれた、うって変わってそれは上品な装丁でした。まあ見開きにすると乞食に扮したメンバーが晩餐をしているんですがね。"ベガーズ・バンケット-乞食の晩餐"かつて汚い格好から"ロンドン乞食"〜〜 とまで呼ばれた彼等のシャレですか(^^:)。
〜〜発禁騒動で間に合わなかったとかで、このアルバムの初版は"デッカ"レーベルの輸入盤を国内販売するという異例のリリースとなりました。このアルバムにはイギリスで刷られたポスター (皆、乞食の恰好してます)と、これは本邦だけのオマケで、ミックジャガーの電話インタビューのソノシートが付いてました。ちな〜〜みに収められている「ストリート・ファイティングマン」はシングルとは違うミキシングテイクです。
〜〜
ともあれベスト盤である「スルー・ザ・パスト・ダークリー」を例外とすれば、これがブライアン・ジョーンズ参加の最後のアルバムとなります。その後のストーンズを見るとよく判るのですが、ブライアンの音楽的影響力は大きく、私見ですが例えば「ジ〜〜ャンピン〜」のバックで通奏されているバグパイプの様な音など、ブライアンの仕業と思えるのですが..... やはりブライアンが確信犯的くせ者です。ローリングストーン〜の諺どおり、苔が生える事無く今でも転がり続けている彼等ですが、この時代のストーンズには、確かに怪しい"魔術"がかかっていました。〜〜
「Let it bleedと並ぶストーンズ・ロックの双璧」
おすすめ度 ★★★★★
ストーンズがブランド化してからどのくらい経つだろう。彼らの音が持つ(持っていた)獰猛さと曖昧さが薄れていくことに一抹の寂しさを感じています。彼らの年齢とロック文化の中で置かれざるを得ない立場から考えれば、いたし方ないことと思いながらも、彼らの音とともにロックを愛好してきた者にとっては、どうしても近頃の作品は小ぶりとしか聞こえない。カフェインフリー、カロリーオフになっちゃったって感じかな。
ストーンズらしいストーンズを考えると、最高傑作と挙げたいのがこの「Beggar's Banquet」。
「Sympathy for the devil」、「Street fightingman」は今でもライブの定番だが、オリジナルのスタジオテイクで聴く音作りは何度聴いても飽きない不思議な力に溢れている。特に音の隙間を不器用ながらも丹念に埋め尽くしたような前者は、彼らの魅力が凝縮されていると思う。
最も刺激的だった頃のストーンズを味見してみたい方には是非ともお薦めしたい。戦慄すら憶えるサウンドと歌がぶっきらぼうに詰め込まれています。
「甦るDECCA時代の最高傑作その1」
おすすめ度 ★★★★★
この作品と次の作品はDECCA時代の最高傑作であり、今でもその価値は変わらないと思う。
どういう風に甦るのだろ、バンドアンサンブルの妙が一つ一つ聞き分けられるのだろうか。
あの生々しく武骨で黒いフィーリングのビートが。
専門家は「やはり、初回UKアナログ盤には敵わないし、CDの音は別物」なんて言うかも知れない、
そりゃそうだろうよ、でもストーンズは金持ちのコレクターが高級ステレオで聞くような音楽じゃないんだ。
安く、手軽に、誰でも以前よりいい音できける!
こういう作品を最新技術でリマスタリングし、発売する事は本当に素晴らしい。
「すんごいアルバムですよ、これは!」
おすすめ度 ★★★★★
もうファンの方に今更本作の解説なんて必要無いですよね。だって彼らのアルバムの中でも名盤中の名盤なんですから・・・。個人的には、一番好きなアルバムなんですよ、私には。「悪魔を憐れむ歌」なんか最高の曲ですよねぇ。
とにかく本作は外せません、頼むから買って下さい、m(__)mよろしく。
曲目リスト
1.悪魔を憐れむ歌
2.ノー・エクスペクテーションズ
3.ディア・ドクター
4.パラシュート・ウーマン
5.ジグソー・パズル
6.ストリート・ファイティング・マン
7.放蕩むすこ
8.ストレイ・キャット・ブルース
9.ファクトリー・ガール
10.地の塩 ※〈CD/SACDハイブリッド仕様〉
概要
前作はなかったことのように、ブルース・ロック、ルーツ、アコースティック回帰の大名盤。米国での12枚目、1968年12月リリース。時代風景のアオリを受けた「ストリート・ファイティング・マン」ほか。