「愚か者の涙に尽きる」おすすめ度
★★★★☆ミックテイラーが抜け、その後模索するように様々なギタリストとセッションを重ね、出来上がったアルバム。
そしてロニーウッド加入のきっかけにもなったアルバム。
ホットスタッフ、愚か者の涙と名曲も収録。8曲だけしかないのだが愚か者の涙に免じて、買っていいと思います。
1976年のローリングストーンズの一枚です。
「ストーンズの最盛期の最後を飾る名盤」おすすめ度
★★★★★ このアルバムは、1976年に発売されたものである。当時のストーンズは、ミック・テイラーの脱退など公私ともに多難な時期であり、何とも渋く、暗い雰囲気がアルバム全体に漂っている。Begger's Banquet (1968) から10年のストーンズの最盛期の最後を飾る名盤である。
個人的には余り注目されないHand of Fateが気に入っている。
お得意の5弦オープンGのチューニングか。キースがひずんだ音でリズムを刻み始め、遅れてチャーリーとビルの何とも重いリズムセクションが入る。叫ぶようなミックのヴォーカルがかぶさってくると、その時のStonesにしかないモノクロームの世界が広がる。
The hand of fate is on me now
It pick me up and knock me down…
運命の手とは果たして何なのだろうか。"Hand of Fate" のドラマは、田舎町で人妻に惚れた男がその亭主を撃ち殺して破滅するというものだが、その運命を望んでいたのは、実はその男自身ではなかったか。その男自身が破滅することを望んでおり、そのひそかな望みに従って運命の手が降りてきたのである。
ミックが唾を吐きかけそうにシャウトし、無名のセッション・ギタリスト、ウエイン・パーキンスのエモーショナルなリードギターが強烈なエネルギーを励起する…
暮れゆく一日の最後にウイスキーなどをやりながらMemory Motelなどを聴いていると、Black and Blueという題名のとおりの、何とも言えない気分になる。聞き込むほどに惹かれていく、不思議な魅力を持つアルバムである。
「どこを切ってもストーンズ印」
おすすめ度 ★★★★★
ミック・テイラー脱退後の過渡期に制作され、ストーンズのアルバムの中では異質な存在とされているが、ゲストのビリー・プレストンが大活躍したブラックフィーリングたっぷりの傑作となっている。ファンク、レゲエ、ジャズ等様々なフォーマットで聴かせてくれるが、何をやらせてももう100%ストーンズになってしまうところが凄い。やっぱりチャーリー・ワッツとビル・ワイマンという独特なグルーヴを持った(ヘタウマ!?)リズムコンビにキース・リチャーズのギターカッティングが絡めば、もう誰も真似のできないストーンズ印の出来上がり!ミック・ジャガーもこのメンツじゃなくちゃ本領発揮しない。もちろんストーンズマナーのロックンロールやスローバラッドも収録されていてゴキゲンこの上なし!
「ギラついた男振りをアップで捉えたジャケットが秀逸」
おすすめ度 ★★★★★
かすかに汗のまじったフレグランスが漂ってきそうな写真です。このジャケットの持つ魅力に惹かれない人は、ストーンズの音楽と無縁であっていいはずです。いまだに憧れる人の絶たない、ロックの持つ男性的な、底知れない情熱を内にたたえたイメージがここに焼き付けられています。また、新たにメンバーを迎え、大人のロックバンドとしてスタートラインに立ったことをも表現しています。この確たる存在感。このイメージを写真一枚で示しえたバンドは、ストーンズが最初で、おそらく最後となるでしょう。多くの追随者も及ばない力強さがあります。音楽的には、初めてレゲエを取り入れ、これまで以上に黒人音楽に深く接近した内容となっています。個人的には、ハンド・オブ・フェイトで歌われる暴力的、破滅的な世界観と、クレイジーママの星屑のようなギターソロに彩られた、唯一無比の熱っぽいグルーブがストーンズ音楽の中でも白眉だと思います。
「これであなたも俄かローリング・ストーンズ・フリーク」
おすすめ度 ★★★★★
やっぱりローリング・ストーンズ(以下R・Sと略す)といったらコレ。オバサンのアタシとしてはこう断言したい。山下達郎さんは「僕達の世代はR・Sと言ったら60年代のしかないよネ」なんてラジオでのたまっておられますが、アタシャ、彼より歳が下なのでやっぱりコレしかないってば!!温故知新とか、懐古趣味とかじゃなっくって今でも十分イカスし、このカッコよさって未来永劫、不変なのです。これが発表された当時の70年代前半の最新ダンス・ミュージックからファンクありレゲエあり、振り返って彼らのルーツのブルースありの、このめくるめくブッラク・ミュージックの世界。最後の曲のCrazy Mamaではちゃんと熱烈ファンのためにR・S節も聞かせてもらえます。まるでダンテの「神曲」の地獄編みたいなんだから(読んだことはないけど・・・)。
それよりもっとすごい効用がこのアルバムにはあるのです。R・Sが、かかりそうなバーや飲み屋さんで「Black and Blueっていいですよネ」と言うとカウンターの中のお兄さんがそれなりの通の御仁であられたら、まず間違いなくかけてくれます(ここで、「サティスファクションって最高!」とか「ミス・ユーかけて!」なんて間違っても口に出さないこと)。そして目線で「ホント、コレってイイっすよネ」と合図を送ってくれます。これで、あなたも晴れてR・S通の仲間入り、と言う訳です。
日韓ワールド・カップも間近にせまった昨今、俄かサポーターが巷にあふれることと思いますが、あなたもこのBlack and Blueを聴いて明日からでも俄かローリング・ストーンズ・フリークになりましょう。
ガンバレ!ニッポン!!(どういう関係があるんじゃ・・・)
曲目リスト
1.ホット・スタッフ
2.ハンド・オブ・フェイト
3.チェリー・オー・ベイビー
4.メモリー・モーテル
5.ヘイ・ネグリータ
6.メロディ
7.愚か者の涙
8.クレイジー・ママ