「文句なしの最高傑作。」おすすめ度
★★★★★ツェッペリンの最高傑作は何か。このように訊かれていろいろな意見が
分かれると思う。ある人はUといい、ある人はWといい、ある人は
プレゼンスという。だが、自分はこのアルバムこそがゼップにとっての、
いや、ロックの歴史にとっての最高の作品だと思う。
何故僕がこのアルバムをそこまでプッシュするかというと、このアルバムに
あって他のゼップのにはない衝撃があるからだ。
このアルバムをプレイヤーにかけて、再生を押した時に流れてきた
「Good Times Bad Times」の衝撃は忘れることは出来ない。
そして最後の曲まで一瞬たりとも気を抜くことの出来ないほどの緊張感が
このアルバムにはある。ブルースとへヴィーなギターの融合は30年以上
経った今聞いても衝撃的。
あまりうまくいえないけれど、ひとつだけ確かに言えることは
誰もが人生において必ずこのアルバムとの出会いを必要とする瞬間がある
はずである。大げさな言い方かもしれないけれど、それぐらいにこの作品
はすごいのだ。実際僕はこのアルバムと出会ってから暗い受験生活に
少しだけ光明を見出したのであった。
このアルバムをスルーして一生を終えてしまう人はなんて不幸なのだろう。
ぜひ聴いてみてください。
☆5つ。
「Zep's Time Is Gonna Come」
おすすめ度 ★★★★★
1968年に伝説の30時間録音で作成、1969年2月発売。この年の10月にはあのIIも発表しているのだから驚きだ。
元ヤード・バーズ(こういう言い方はもうしないのかもしれないな)の『マジック・フィンガー』ジミー・ペイジは、ヤード・バーズを離れたころから様々なミュージシャンのバックを勤めていて、その中でも有名どころがミシェル・ポルナレフのスタジオ録音だとおもうが、この頃にジョン・ポール・ジョーンズと知りあうことになる。既にヤードバーズ時代にレッド・ツェッペリンのコンセプトが出来上がっていたジミー・ペイジは、ジョン・ポール・ジョーンズとともにバンドのコンセプトにあったメンバーを探し始める。
R&Bを黒人的に歌う能力でなく、これまでにないジミーのギターと五分に渡り合えるシャウトする強く伸びるボーカルを持った男と、
公衆電話ボックスをぶっこわせるくらいパワフルなドラムを叩ける男
が、ジミー・ペイジの求めるメンバーだった。ロバート・プラントにジミーはこう声をかけたと言われている。『俺と一緒に金儲けをしないか。』
ドラマーはロバート・プラントのバンド仲間だったジョン・ボーナムが加わり(よくもこれだけの2人が一緒に揃っていたものだ・・・)、レッド・ツェッペリンは結成を見る。
この不世出のロック・ユニットは、ジミー・ペイジの『マジック・フィンガー』な超速弾き、ロバート・プラントのブルースその物みたいなシャウトするボーカル、そして重戦車みたいなボンゾのドラムという超一流の武器にジミーペイジの優れたブルース解釈論が加わり、このファーストから既に怪物である。
僕が特に好きなのは2『Babe I'm Gonna Leave You』と定番7『Communication Breakdown』である。今までに無い凄いロックにショックを受けたが、この年の10月のIIでもっともっと凄いショックを受けることになる。(●^o^●)
「出来すぎ、やりすぎ1st」
おすすめ度 ★★★★★
僅か30時間で録音したとは思えない、轟音へヴィ・ロック・アルバムの記念すべき誕生アルバム。ペイジの素晴らしいブルースの解釈で、完璧に計算し尽くされたサウンド、つくりは特筆に値する。特に;コンパクトにしてキャッチーな“グッド・タイムス・バッド・タイムス”に“コミュニケイション・ブレイクダウン”、実験的にして豪快な“幻惑されて”と、既にゼップの二面性が成立している点は、ちょっと怖気づいてしまう。やっぱりゼップははじめから特別な存在だったんだ、と思わせてしまう、そんな出来過ぎデビュー・アルバム。
曲目リスト
1.Good times bad times
2.Babe I'm gonna leave you
3.You shook me
4.Dazed and confused
5.Your time is gonna come
6.Black mountain side
7.Communication breakdown
8.I can't quit you baby
9.How many more times
概要
1968年に製作、翌年1月に発表されたレッド・ツェッペリンの1stアルバム。同年10月に発表された2ndアルバムとともに、ハードロック時代の本格的な幕開けを知らしめた傑作だ。
< 4><8>などブルース色の強い本作。だが、それだけでなくトラッド・フォーク、ソウル、など多彩なルーツをもつ彼ららしさが早くも発揮されているところにも注目したい。トラッド色が強い<2><6>や、特殊なリズムながら大迫力で迫る<1>、ほとんどパンクみたいな単純明快パワー炸裂の<7>など、デビュー作で早くも他のハードロック・バンドとは一線を画す懐の深さを披露している。(麻路 稔)