「おもしろい!!」おすすめ度
★★★★★大したことはないだろうと思っていたのだがものすごい
クオリティーでびっくりした。
底にあるストーリーは極めて単純で、「勧善懲悪かと思いきや
実は立派に60年代の雰囲気を反映してラブ&ピース」という
あっさり説明できてしまうものだが、その筋を面白くするために
アドベンチャーものの要素が盛り込まれている。
ビートルズの四人があんまり好ましくないお薬で
あっち側の世界にいっちゃった後みたいな景色の中を
目的地めざしてひたすら進んでいくのだ。
ここで特筆すべきはこの映画に関わる全ての要素が最大限に
生かされていることだろう。
ビートルズのキャラクターをそのまま使ったアニメーションという
映画のコンセプトそのものでもあるファクターは
その知名度をそのまま拝借することによって
余分なキャラクター説明を省いているのはもちろん、
逆に広く知れ渡っている個々のキャラクター特性を生かし、
ストーリーの展開に微妙に絡ませてある。
冒険物の要素があることで現実ではありえない風景を
舞台にすることが可能になったが、それを表現するために
アニメーションという技法がこれ以上なく生かされている。
原色の世界や、気味の悪い生き物や、穴の世界。
これらは当時の特撮の映像技術ではとうてい無理な代物だった。
そして最後に60年代の空気がそこに加えられ、
メッセージ性をエンターテーメント性を損なうことなく高めている。
非常にいい作品だ。
「日本人は損をしている!」おすすめ度
★★★★★この映画はそのアニメーションが高く評価されています。確かに色使いもサイケだし、「エリナー・リグビー」から「オンリー・ア・ノーザン・ソング」に至るまで斬新な手法を使っていて、見るものの目を楽しませてくれます。内容もラブ&ピース&ミュージックな感じで、見終わると幸せな気分になります。
だがしかし!タイトルで言ったとおり我々は非常に損してるんです!この映画は台詞がとーっても面白いんです!英語に自信のある人は字幕なしで、ちょっと・・・な人は英語字幕で見てみましょう。100倍楽しく鑑賞できますよ☆
例えば、ビートルズの歌詞探し。どの曲とは言いませんが「穴の海」のシーンはかなりわかりやすいですよね。他のシーンにも「イエスタデイ」が出てきますし、実写ポールも楽しげに「Sgt.ペパー」収録曲の歌詞を引用してます。
ちょっと英文学の知識のある人は、シェイクスピアの台詞を探して見ましょう。私は一箇所ですが、かなり有名な台詞を見つけました。英文科である自分を神に感謝した瞬間です;ついでに「ハード・デイズ・ナイト」では、ポールが「ハムレット」の台詞を口にしてますので要チェック!
また、この映画は言葉遊びがたくさん!フレッドとリンゴのやり取り、日本語では「ありがたい!」「大げさだな」と派手に何でもないですが、実際にはクスっと笑えるのです。くしゃみをしたら向こうでは何と言うかが手がかり。ああ、忘れてました。冒頭の"Once upon a time, or maybe twice"も立派な言葉遊びですよね!
きっとネイティブな皆さんはもっといろんな台詞で笑ってるんでしょうね。英語だけでなく、英米の文化も勉強しなくちゃ!って気になります。
「ファミリーで楽しむビートルズ」
おすすめ度 ★★★★★
子供から大人まで楽しめるビートルズアニメ、以前より格段にきれいになった映像、5,1chになって音だけでも楽しめる臨場感あるサウンド、オマケに付いているマニアには嬉しいイエローサブマリンの製作過程の様子など、もりだくさんです。映画のラストに本物のビートルズが出てくる所は御愛嬌。
概要
平和な海底の王国でサージャント・ペッパー・ロンリー・ハート・クラブ・バンドがライヴを開いていたら、音楽嫌いの悪党ブルー・ミニーが攻撃を仕掛けてきた。。そのことを知らされたビートルズの面々は、潜水艦(イエロー・サブマリン)に乗り込んで、楽園の危機を救うべく奮戦する。
ビートルズのヒット・ナンバーに乗せて描かれる、メルヘン・タッチの傑作アニメーション映画。サイケデリックで奇抜な魅力たっぷりの作画や彩色は、同時に製作当時の流行をも伝えてくれている。ビートルズの武器がユーモアと音楽という点も、当時のヴェトナム反戦運動など時代の波に呼応したものだ。まさにラブ&ピースの魅力に満ちた、ビートルズ映画ならではの味わいともいえるだろう。(的田也寸志)