「蘊蓄抜きで、ボリューム感を楽しむ」おすすめ度
★★★★★ビートルズ初の2枚組アルバム。
何はともあれ、全30曲のボリューム感を味わって下さいまし。
まあ、良く言われることだけども、この頃からメンバーの目指す方向性がはっきり違ってきたわけで、そのため、アルバムとしての統一感に欠けるっていうことがあるのは事実でしょう。
メンバーそれぞれが、全く違う音楽性で曲を書いていて、通しで聴くとどうしてこの曲とこの曲が一つのバンドの一つのアルバムに入っているの?という思いにとらわれるでしょう。
ただ、それぞれ違う方向を向いていたメンバーだけども、お互いの存在を意識はしていたんだと思います。
そのため、それぞれの才能がそれぞれの方向で爆発しちゃうわけです。
ぜったいジョンとポールなんか、「俺の音楽であいつをぎゃふんと言わしてやろう。」と思っていたに違いないと思うのです。
勝手な想像だけども。
各曲の解説を書いていくのはキリがないので、有名どころだけサラっと流すと、まず、ポールの神掛かり的なメロディセンスは、もう無茶苦茶に爆裂してます。
Ob-La-Di, Ob-La-Da、Blackbird、Martha My Dearあたりなんか、もう溜め息でるほど良い曲です。
思わず自分もカバーしたくなっちゃうぐらいです。
ポールの曲って、曲が凄く良いから誰がカバーしてもそれそこ相応のクオリティになるような気がするんですね。
ジョンの方は、サイケ路線をさらに突き詰め、誰もマネできない世界感を作り上げています。
Dear Prudence、Happiness Is a Warm Gun、Julia、Revolution 1あたりなんか、もうこんな表現ができるのはジョンだけですね。
そういえば、ジョンの曲はあんまりカバーしようという気にならないなあ。
なんか、ジョンの曲をジョン以外の人間が歌うことはできないような気がする。
っていうか、ジョンの曲は、全てにおいて完成していて、それ以上足し算も引き算もできない感じ。
なんか、ジョンとポールという2人の天才の違いっていうのは、こういう所にあるんじゃないかと思うのです。
ま、どっちが上とか、そういうわけじゃなくって。
あ、もちろん、ジョージのWhile My Guitar Gently Weepsなんていうとんでもない名曲が入っていたり、数少ない(2曲!)リンゴのオリジナル曲の1つ、Don't Pass Me Byなんかも入っています。
ま、とにかく、盛り沢山の内容だし、中には気に喰わない曲もあるかもしれないけどもそこはCD時代の特権でバシバシ飛ばして、末永く愛聴したいアルバムですね。
「ポールの実力、ジョンの魅力、聴き所に溢れた作品」
おすすめ度 ★★★★☆
通称ホワイト・アルバムは当時評論家筋から散漫だと難癖を付けられた作品だが、ビートルズ後期におけるメンバーの個人的成長が顕著に表れた作品だ。ジョージはついに名曲「ホワイル・マイ・ギター・・」をものにした。ポールは名バラード「ブラックバード」「アイ・ウィル」などと同時にタイトな「ヘルター・スケルター」「ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・・」で硬軟取り揃え、守備範囲の広さを披露する。ジョンはジョンで「エヴリボディーズ・ゴット・・」や「コンティニューイング・ストーリー・・」に見るアグレッシブな面と「ジュリア」「クライ・ベイビー・クライ」に見る内省的な面との行き来が彼の魅力の奥深さを見せつけた。コンフュージョナルな「レボリューション9」の後はリンゴが最後をビシリと締める。とにかく聴く人それぞれにベスト・チューンが異なるのがこのアルバムのもったいないところ。自由な切り口で自分なりの一曲を見つけてほしい。
「スゲェ…」
おすすめ度 ★★★★★
ビートルズファンが挙げる名盤として名高い「リボルバー」、「サージェン
トペパーズ」の後作られたのが、この「ザ・ビートルズ」通称「ホワイトア
ルバム」です。(その後「アビィロード」もある。)
とにかく曲がバラエティ豊かで、今でも色あせない確かな才能を感じ取るこ
とが出切るはずです。
ビートルズの有名な曲を聞いて一歩踏み込む時、この「ザ・ビートルズ」を
聞くと本当のビートルズの素晴らしさを実感できると思います。
特に個人的に恐ろしいと思うのは、レボリューション9で、60年代にすで
に、こんな恐ろしい曲を作っていたかと思うと、飛び抜けた印象を受けます。
2枚組みのボリュームからすると、この価格は安すぎます。
お買い得です。
「ビートルズ故に為し得た「全方位型アルバム」」
おすすめ度 ★★★★★
1968年時点の音楽界において、確かに、これはビートルズでなければできなかった「全方位型アルバム」である。ロックンロールからカントリー、フォーク、ジャズ、ブルース、バロックから現代音楽、そうかと思えば、ヘヴィーメタルの原型のようなものまで入っている。「サージェント・ペパーズ」以降、トータル・コンセプト・アルバムでなければ価値がない、みたいな間違った評価基準が定着してしまって、このアルバムも(皮肉なことに、自らが作り出した作品によって生まれた)その基準に沿って「散漫」などと評されることが多いが、この当時、ほかの誰にこれほどの「全方位型」の作品が作れただろうか。それを思うと、この作品、もっともっと評価されていい。
ところで、この作品まではモノ・ヴァージョンとステレオ・ヴァージョンが別々に制作されており、その両者の間にはかなりのテイク違いやミックス違いが存在する。「アンソロジー」みたいなものまで出したのだから、次はモノ・ステレオ両ヴァージョン収録の企画が出なければウソだろう。
「ただ純粋に曲を集めたアルバム、コンセプトとかはなし」
おすすめ度 ★★★★★
4人それぞれの個性でできているアルバムでなかなか名曲も多い。通称ホワイトアルバムと呼ばれているらしい。ジャケットが白いから。バックインザU.S.S.R.というチャックベリーのバックインザU.S.A.のタイトルまねで始まりグッドナイトいう子守唄で幕を閉じる。とにかく聞いてみるとかなりいい曲が入っているのが解かるので聞いてみてもらいたい。ビートルズでよく知られている前期の作品とは全然違うと思うので、少し違うビートルズが聴けると思う。
「集大成的なアルバム」
おすすめ度 ★★★★★
よく評されるように、他のメンバーをバックバンド同然の扱いで作曲者の当人がソロを取っている作品が多いことから実質的な個人のレコーディングだと言われるアルバム。だがレコーディングの雰囲気がどのようなものであったにしろどれも曲そのものは一級品ばかりの傑作と言えよう。ロックに偏向することなく多様な音楽性を表現してきたビートルズだが、このアルバムこそその多様な音楽性の真骨頂。美しい作風も激しい作風も雑多に同居している。それと、このアルバムでディストーションをかけた激しいギターサウンドが目立っていることも特筆(彼等の作品ではこのアルバムが最初だと思う)すべき。
「円熟期のビートルズを満喫できます」
おすすめ度 ★★★★★
ビートルズ初の2枚組だが、既にこれ以前よりレノン-マッカートニーではなく、各人のソロで作曲されていたのは有名。で、確かにこのアルバムも、ソロアルバムの寄せ集めの感があるほど、各人の個性が顕著になってきています。が、それは作曲だけの話で、演奏としては、ビートルズのバンドとしての魅力に溢れており、やはり名盤でしょう。個人的には、レコードでいう、A面とC面が好き。とはいえ、名曲揃いであり、さすが後世の世界史に名を残すであろうバンドの力作です。今聴くとリンゴのドラムも超よい!また、ジョージの曲も、スタンダードとなる「ホワイルマイギター〜」など、頑張っています。ちなみにこの曲のソロはエリック クラプトンなのも常識。余談ですが、プリンストラスト87で、ジョージとリンゴがスペシャルゲストで出演してこの曲が演奏されており、レスポールのエリックとストラトのジョージがソロを掛け合っていて、ファン必見。また、リンゴもフィル コインズと楽しそうにツインドラムで参加してます。ラストの「グッドナイト」も締めにふさわしく秀逸。
「ビートルズの幾多の音楽的要素が堪能できるアルバム!」
おすすめ度 ★★★★★
何故かと言うと、ビートルズの初期から後期までのあらゆる要素が凝縮されているからです。しかし、メンバー個々のソロアルバムの様に論じる人もいますが、僕は、そうは思わない。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの個性が顕著にでているし、あらゆる音楽的要素が入っていることもこのアルバムの特徴である。例えば、CD−1ではロック、ポップス、カントリー、R&B、フォーク、CD−2では、ハード・ロック、ヘヴィーメタル、ブルース・ロック、前衛的楽曲までメンバーはレコーディングしているのである。また、このアルバムの中で一番好きな曲は「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」という曲で、ギターの神様エリック・クラプトンのエフェクターを介さないエレキギターの音で、あれだけの泣きの音色を出せるのは、クラプトンだけである。また、ハード・ロックのファンには堪らなく嬉しいのが、「ヘルター・スケルター」、「エヴリボディーズ・ガット・サムシング・・・」が収録されている事です。その他の曲では、ジョンの曲では「ディア・プルーデンス」、「アイム・ソー・タイアード」、「セクシー・セディ」、ポールの曲では「マーサ・マイ・ディア」、「アイ・ウィル」「マザー・ネイチャーズ・サン」、ジョージの曲では「サヴォイ・トラッフル」、「ロング・ロング・ロング」、そしてリンゴが歌った「グッド・ナイト」などがこのアルバムで気に入っている曲です。この様にいろんな音楽的要素がこのアルバムに収録されているのが、ビートルズのファンにとっては嬉しい限りです。
「ビートルズからジョン・ポール・ジョージ&リンゴへ!」
おすすめ度 ★★★★★
ビートルズが実質的に、”ジョン・ポール・ジョージ&リンゴ”になったことを示す作品。
ビートルズの強烈な個性が肥大し始め、4人の個性がくっきりと現われている。サージェント・ペパーズで実質的にビートルズは終わり、このアルバムは、ジョン・ポール・ジョージ&リンゴの作品。しかし、凄いアルバム。
2枚組の容量であるが、当時の彼らの溢れかえるような音楽の泉には、それでも足らなかったのではないかと思えるほど幅の広さである。
この1曲目〜8曲目までが、レコード当時は1枚目のA面であったのだが、このバックインザUSSRからホワイルマイギタージェントリーウイープスに続く流れは、ビートルズのアルバムの中でも最高とも言える曲構成。
全体を通じてそうなのだが、流れるよう!な!!スムースさで次々と曲層の違った曲が繰り出されてゆく。ラストはリンゴが歌う名曲「グッド・ナイト」。
ハード・ロック・カフェで使われている「バースデー」などもおさめられている。
繰り返しになるが、ビートルズというのは、本当に凄い!
「文字通り「何でもあり」の傑作」
おすすめ度 ★★★★★
ハードロック、レゲエ、アバンギャルド、サーフィンサウンド、ブルース、子守歌、ボードビル、フォークソング、そしてロックンロール。今更言うまでもないが、ポップミュージックにおける手法の全てが、ビートルズ流儀で乱れ飛ぶ万華鏡的傑作。
「散漫」との声もあるが、ビートルズ歴20年の私が、結果もっとも多く聴いたのがこのアルバムという事になります。
ジョンの発想の暗さ(!)、ポールの性格の悪さ(笑)、ジョージの頼りなさ(泣)リンゴの訳の分からなさ(?)が、この偉大なる四人の「ソロアルバム」を今の時代においても色あせない、キャリア中の「台風の目」として成立させているのではないでしょうか?
曲目リスト
ディスク: 1
1.バック・イン・ザ・U.S.S.R.
2.ディア・プルーデンス
3.グラス・オニオン
4.オブ・ラ・ディ,オブ・ラダ
5.ワイルド・ハニー・パイ
6.コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロウ・ビル
7.ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
8.ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン
9.マーサ・マイ・ディア
10.アイム・ソー・タイアード
11.ブラックバード
12.ピッギーズ
13.ロッキー・ラックーン
14.ドント・パス・ミー・バイ
15.ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード
16.アイ・ウィル
17.ジュリア
ディスク: 2
1.バースデイ
2.ヤー・ブルース
3.マザー・ネイチャーズ・サン
4.エヴリボディーズ・ゴット・サムシング・トゥ・ハイド・エクセプト・ミー・アンド・マイ・モンキー
5.セクシー・セディ
6.ヘルター・スケルター
7.ロング・ロング・ロング
8.レボリューション1
9.ハニー・パイ
10.サボイ・トラッフル
11.クライ・ベイビー・クライ
12.レボリューション9
13.グッド・ナイト
概要
初の2枚組アルバムである。なにも印刷されていない白無地のジャケットから、俗に「ホワイト・アルバム」と呼ばれている。前作、前々作のカラフルさからうって変わったこのシンプルさは、中身にも反映されている。ほとんどの収録曲が凝った録音技巧を排しており、ライヴ演奏も十分可能なスタイルで演奏されている。
しかし、このアルバムの最大の特徴は、各メンバーの個性が強く表わされ、ビートルズという存在を上回っていることだろう。その結果、アヴァンギャルドから20年代ジャズまで、四者四様の志向が入り乱れた、大音楽博覧会的な作品に仕上がっている。(星野吉男)