サウンドにもの凄く色彩感が感じられ（ジャケットのイメージもあるけど）、非常に、非常に言葉では言い表せない感じがあります。
ハードなサウンドを期待すると少し当てが外れるかもしれませんが、好きな人はもの凄く好きなアルバムだと思う。

「沈めちまうよ！」
おすすめ度　★★★★★

ツェッペリンを前期、後期に分けている人はかなり多くいるのでしょう。わかりやすいのは、後期と目されるツェッペリンの作品にはタイトルがつけられていることでしょう。このアルバムこそ、その第一弾！

ツェッペリンの後期の特徴は、音が塊となって聞くものを音の中に沈めてゆく、と言われているが、その音楽感性の境界線上にあるのがこの作品といえようか。この当たり、発売当時は賛否両論あったが、セールス的には大成功を収めたことからもファンの耳は正しかった、ということだろう。

王者ツェッペリンによる貫禄の曲作り、クリアーにきっちりと仕上げられたサウンド、そして迫り来る音の塊！ ツェッペリンの世界にどっぷりと浸かりこむには最適です。

「絵画的で想像力をかきたてる、耳で聴く映画」
おすすめ度　★★★★★

前作（４）が有名なせいでやや影が薄い感じのある作品です。ZEPのどのアルバムもそうですが、全ての曲をあたかも組曲のように配置し、総合性をもたせるという特徴が本作では非常に目立っています。次作の「フィジカルグラフィティ」と同様にヴァラエティ溢れる内容になっています。疾走感溢れる煌びやかな１、イギリス人らしい叙情性が光る２、その後にいい形で続くのは静と動の対比が見事な３、ジェイムズブラウンの影響を受けた４（ラップ調のヴォーカルとファンキーなサウンドは面白い）、ZEP流キャッチーなハードロック５、痛快レゲエロックの６、高尚かつドラマチックな７、最後を飾るのはこれまたZEP らしい曲の８（ドゥーワップコーラスは楽しさ一杯）。どの曲も非常に繊細で凝ったつくりになっています!。ジャケットデザインはピンクフロイドのでも有名なヒプノシス。内ジャケットの写真はぞっとするほど神秘的で美しいです。

「クリアー！！」
おすすめ度　★★★★★

まずはスッキリした音質。全作品中もっともクッキリした音像のアルバムで、作品の細部に渡って「ツェッペリンの音楽構造」を確認することが出来る。他の作品はペイジ独特のフィルターがかかっていてそれはそれで格好いいんだけど、こういう録音状態のツェッペリンというのも珍しい。本人達は余り気に入らないような感じだったらしいが、霞みが取れたツェッペリン・サウンド、とでも呼ぶべきか。

　楽曲の造りに重点が置かれているためか、ペイジのギターはそれほど重厚な音ではない（むしろファンキーですらある）。代わりに透き通るようなプラントのボーカル、ＲＨＯＤＥＳやＭＯＯＧまで導入したジョーンジーの新局面、そしてそのプレイを分析するに格好の状態のボンゾがここにいる。特にボンゾ。ドンと打ち付けるキックから始まって全編に渡って痛快なプレイを堪能できる。いつもよりボリュームも大きい！ 　所謂「橋渡し」的作品にとらえられがちではあるが、全作品中最もクリアーなアルバムである。「クランジ」の変態さったらない！

「ツェッペリンのアルバムでは一番好きなアルバムです。」
おすすめ度　★★★★★

ツェッペリンのファンの方はそれぞれ好きなアルバムは異なるでしょうが私はこのアルバムが一番好きです。中でも「ノー・クォーター」が一番好き、というより私にとってロックに覚醒させられた曲と言えます。（かなり個人的ですが・・）というのも十五、六年前になりますがはじめて聞いた洋楽＆ロックがこのアルバムだったのです。そして聞きつづけてるうちにすっかりはまってしまいました。特に「ノー・クォーター」は幻想的なエレピ風シンセにまずうっとりそしてジョン・ボーナムのオカズが入りバスドラとクラッシュの同時打ちにジミー・ペイジのギターがコードをかきならすところは大げさかも知れませんがもはや言葉に出来ないくらいの感覚に包まれました。そしてファズ風のギターのリフにまったく同じプレイをしても絶対に誰も同じグルーヴは出せないジョン・ボーナムのドラム、ジョン・ポール・ジョーンズのキーボード＆ベースプレイ、そしてロバート・プラントのヴォーカル。私の心はこの曲の終番のSEのように空に舞い上がるかのような感覚になりました。もしツェッペリンを聞いたことの無い人がいるのならばどのアルバムよりこのアルバムを個人的にお勧めします。もちろんどのアルバムも名盤なのですが思い入れが強いもので・・。

「ツェッペリンはフュージョンバンドだった？」
おすすめ度　★★★★★

「天国への階段」の後なだけに、当時はメチャクチャ興味深々に思われたことでしょう。まずジャケットがシュールでよい。ジャケットに凝る彼等らしいです。サウンドも、キーボードの多用、ファンクやレゲエの導入といった、新しい試みもいっぱい詰まっていていいんですよねえ。ベースのジョンジーも冴えまくっていて、�@「永遠の歌」なんてかなりコピー難しいですよ、あの雰囲気まで出すって。�B「丘のむこうに」はこのアルバムで一番好きな曲�C「クランジ」はナインスのカッティングとファンクベースで、ジェームズ　ブラウンみたい。�Eデジャメイクハー」がレゲエフィールでありながら、パワフルなドラムとのマッチが面白い。�F「ノークオーター」の神秘的なエレピとジャジーなギターソロもマル。このアルバムにおいては、彼等はハードロックバンドというよりフュージョンバンドとよんでもおかしくないほど、あらゆるジャンルの音楽を取り入れていて、王者にふさわしい貫禄を感じます。


曲目リスト

1.永遠の詩
2.レイン・ソング
3.丘のむこうに
4.クランジ
5.ダンシング・デイズ
6.ディジャ・メイク・ハー
7.ノー・クォーター
8.オーシャン


概要
   『Led Zeppelin IV』の商業的大成功に支えられ、ジミー・ページは1973年に発表した本作ですでに確立していたレコード製作技術にさらなる磨きをかけた。本作は、多様な音作りを楽しませてくれるコレクションだ。「Dancing Days Are Here Again」「The Crunge」「Over the Hills and Far Away」に顕著だが、それまで軽視されがちだったツェッペリンのリズムセクション――怒涛（どとう）のドラマー、ジョン・ボーナム、硬質なベースサウンドを弾き出すベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズ――が一際引き立っている。ジョーンズはまた、キーボードワークの本質的な力量を、哀愁に満ちた「No Quarter」や「The Ocean」でいかんなく披露している。しゃれ心に満ちた1曲「D'yer Ma'ker」はユーモアにあふれた意外な一面をのぞかせた。（Billy Altman, Amazon.co.uk）